どの本よりわかりやすい千夜一夜物語 11(皇紀弐千六百七十八年十月廿日 參)

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 見たこともない美しい女性たちと、めくるめく毎日を送つてゐたアジブです。

 でも、數日經つて、女たちが泣いてアジブに告げました。


「ほんのしばらくあなたとお別れしなければなりません。父の命令で一年の内四十日だけここを離れなければなりません。父のところに行くのです。ほんの少しのお別れです。四十日お待ちください。貴方が退屈しないやうに、ここに四十の扉があります。一日一つずつ開けてお樂しみください。中にはあなたが喜ぶ素晴らしいものがあります。でも、ひとつだけ約束してください。四十番目の扉だけは開けてはいけません。それさへお守りくだされば私たちはきっとまたここに戻ってまひります」

 アジブは女たちが立ち去ると一つずつ扉を開けて樂しみました。

 さて、どんなものがアジブを待っていたのでせうか。 つづく

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このページは、宝徳 健が2018年10月20日 04:16に書いたブログ記事です。

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