千夜一冊物語 8(皇紀弐千六百七十九年一月三十日)

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 初めての方もいらっしゃるので、なぜ「千夜一夜」かのご説明をします。「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」をもじつてゐます。アラジンの魔法のランプやアリババと〇〇人の盗賊(何人かは忘れました)など、日本でもおなじみの話が掲載されているイスラムの物語です。我が國で讀みたければバートン版がいいでせう。

 アラビアンナイトはなぜ「千夜」なのか。ある國の王樣が、用事があつてでかけました(かなりはしょってゐます)。「おっと、忘れ物をしてしまつた」と取りに戻ると、王妃が、奴隷黒人とセックスをしてゐました。王樣は激怒して王妃と奴隷を殺します。「もう、女なんて信じられんわい」と思ひ込んでしまつた、王樣は、毎夜、國中の処女を召し、セックスをした後で殺してしまひます。もう、國中に処女がいなくなつたので、大臣が仕方がなく自分の姉妹を差し出します。その姉がこれまた聡明。

 エッチの前かどうかは忘れましたが、王樣に面白い話をします。王樣は、次の日もその續きや新しい話を聞きたいので、その姉を殺しませんでした。次々に娘は、面白い話をして、なんと、千夜(つまり、たくさんといふこと)の話をしてつひに王樣を改心させてしまひます。娘の名前を

シャーラザッド

と云ひます。さて、私はみなさんのシャーラザッドになれるでせうか(みなさんとエッチはしませんが(笑))

 でも、今囘ご紹介する本は、まさに眠れぬ夜を過ごすぐらいの面白く、そして、人生のためになるものです。

 先日、大物理學者がなくなりました。その時にこんな記事が新聞に載りました。


 「私も今、夫に何度目かの激しい恋をしています」。なんといふ素晴らしい言葉。

 米澤先生は、たくさんの役に立つ本を上梓されてゐます。大物理學者でありながら、私たち素人にもわかりやすく。 これから全部讀破しますが、この本がまた、たまりません。


 米澤先生がご主人とご結婚されたとき、まだ、自由に渡航できる時代ではありませんでした。ご主人が海外勤務となります。でも、當時は、家族同伴は認められてゐません。米澤先生は、なら、私も留學すればいいと、イギリスにおける留學先を片っ端からあたります。そして、見事合格(大學院です)。新婚なのに、離ればなれはいやだと。

 あとはお讀みください。

 私は、もし、かみさんが亡くなったときに、これほど、二人の思ひ出を綴ることができるだらうか?

 かみさんは、私が死んだとき、これほど二人の思ひ出を綴ってくれるだらうか?

 これは重要課題です。なんか、最近、かういふ本によく出逢ふなあ。

 それにしても、かつての日本人は、豐です。ITやスキルばかり追って優秀な行政官のような仕事がかりしやうとしてゐる、今の私たちとは雲泥の差です。

 出光佐三店主が、才氣ばつた若い社員に「お前らは出光癌だ」と言った意味がやうやくわかるやうになりました。

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このページは、宝徳 健が2019年1月30日 07:50に書いたブログ記事です。

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