源氏物語 102(皇紀弐千六百七十九年二月二十五日 五)

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 前囘は、藤原定家が「夢の浮橋」と云ふ言葉を、物語(=散文)から、詩歌の言葉(=韻文)に昇華させたことを書きました。

 その後文豪 谷崎潤一郎が 小説「夢の浮橋」を書きました。


夢の浮橋 (中公文庫)

 紫式部の散文を藤原定家が韻文に昇華させ、そして、もう一度、昭和の文豪が散文の言葉として結晶し直したのです。なんといふ千年間の歴史の積み重ねでせう。これができるのは我が國だけです。

 源氏物語は2008年に千年紀を迎へました。源氏物語を日本文學の至宝としたのは、まさに藤原定家なのです不死の生命として源氏物語が生き續けたのです。

 では、本文です。
 光源氏が都に着きました。大歓迎の嵐です。なかでも紫の上の歓喜はひとしおです。

 ますます美しいいでたちに。

「まあ、こんな素敵な人とよくも二年も逢わずにゐられたものだ」

 紫の上に明石の君のことを打ち明けました。

 大人になったものです。このカミング・アウトに、紫の上は、さりげなく装ひ、少し嫌味を云ふだけ。笑笑

 光源氏と共に失脚した面々も地位を囘復。めでたしめでたし。

 さあ、源氏物語は第十四帖 澪標 みおつくし に入ります。

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このページは、宝徳 健が2019年2月25日 07:49に書いたブログ記事です。

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