國際金融のトリレンマ(皇紀弐千六百七十九年三月二十五日)

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 今日は病院でかなり長い時間拘束されそうなので、その時にブログをたくさん書きます。

 私は、學生時代に計量經済學を専攻しました(あまりまじめな學生ではありませんでしたが)。それまでは、經濟學といふのは人爲的につくられた學問だと思つてゐました。確かに經濟「學」(資本論のやうに)といふ觀點ではさうなのかもしれませんが、

 しかし有史以來の經濟を學んだとき、「ああ、經済の大原則といふのは、どんな力のある爲政者でも逆らふことができないものなんだなあ(無理矢理短期的にやること可能)」と實感しました。

 例えば、「國際金融のトリレンマ」といふものがあります。
 國際金融において、次の3つの政策は同時に実現することが出来ない(2つしか實現できない)、といふものです。

①固定相場制:自國と他國の交換価格をフィックスする
②獨立した金融政策:金利政策や通貨量コントロールを自國の判断でできること。
③自由な資本移動:自國通貨と他國通貨を自由に交換できること


 例えば、第二次世界大戰後、世界各國は、為替の安定を図るため「固定相場制」を採用してゐました。アメリカは「金本位制」をとつて(ブレトンウッズ體制)ゐました。円は、1ドル=360圓でした。その代り、自由な資本移動は制限されていました。

 ところが1971年に突然事件が起きます。ニクソンショックです。朝鮮戰爭やベトナム戰爭でアメリカはドルを大量に印刷してばらまいた結果(といふか、アメリカが保有する金の量が世界經濟の規模拡大より相對的に低下してしまつたため金本位制をとるとアメリカ自身が大デフレに陥る)変動相場制に移行せざるを得なくなりました。すると、資本自由化が進みました。

 今のEU加盟國(イギリスを除く)は、固定相場制と資本移動の自由がありますから、獨時の金融政策をとることができません。

 支那共産党は、無理矢理 この3つを成立させやうとしてゐますが無理です。どれか一つをごく近い將來に放棄しなければなりません。

 この國際金融のトリレンマの觀點から「明治維新」「戰國時代」などなどを觀ていくのもとても面白いですよ。いずれ。

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このページは、宝徳 健が2019年3月25日 05:08に書いたブログ記事です。

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