源氏物語 103(皇紀弐千六百七十九年三月二十九日)

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 今月はblogを書く調子が惡いなあ。生活のリズムが狂つてゐる證據です。四月から復活します。きちんとルーティンをしないと。これだけかかないと讀者も減ってきます。それよりも自分が積み上げたものを自分で壊さない。今年で十四年目ですものね。

 さて、これまで藤原定家と源氏物語のことについて書いてきましたが。次は、これまた紫式部の仕掛けた罠にはまつた一人 四辻善成(よしなり:1326-1402)です。この時代には珍しく七十歳以上生きてゐますね。歌人であり古典學者です。室町時代初期に源氏物語を研究してゐます。それでももう三百年以上たつてゐますね。彼は「河海抄 かいかしょう」といふ源氏物語の注釈を残しました。このことが、彼の名を普及の物としました。「河海抄」の中から後悔すべきでない秘話を抜き出した「珊瑚秘抄 さんごひしょう」も著しました。興味津々です。樂しみにしてくださいね。

 さて、本文。えっと、どこまでいつたつけ?そうそう、第十四帖 澪標(みおつくし)からですね。
 朱雀定は、上皇になつても、朧月夜をこよなく愛してゐました。

「私の命はそう長くないやうな氣がする。あなたはいぜんから私より源氏の君の方を愛してゐるやうだが、私の愛はたぐいなく深いんだよ。この先、源氏の君に愛されることがあつても、それは私の愛よりずつと小さい物。それを思ふと辛くてたまらない」

 力づくでいいんです(笑)。帝は(笑)。でも、優しいですね。朱雀帝の母親は、光源氏の政敵 弘徽殿女御(こきでんのにょうご 元右大臣の妻)。母親と性格がまつたく違ひます。父親??? 桐壺帝に決まつてゐます。

「どうして私の子を産んでくれないのか。あの人の子ならすぶに身ごもるんだらうね。でも、その子は家臣の血筋になる。私の子なら帝の血筋なのに」

 ええい、女々しいちゃっちゃ。

 さて、光源氏も、時々朧月夜に連絡はするものの、お互いそんなことにうつつを抜かす状況ではありません。

 彼にも大きな氣がかりがいくつか。

 まずはなんと言つても、明石の君。女の子が産まれました。

 光源氏は以前、有力な星占いを受けて「子供は三人。二人は帝と皇后となり、低い身分の方は太政大臣の位につくでせう」と言はれてゐました。

 桐壺帝と后である藤壺との禁断の子供は、もう冷泉帝になつてゐます。葵の上(なくなつた正妻)の子は男子で、これが太政大臣候補でせうか? 女子は今囘がはじめてです。この姫が将来の皇后になるのでせうか? だとすれば、この姫君をおろそかに育てることはできません。やがて都に呼ばなければ。

 立派な乳母(めのと)をつけなければと考へ、思ひ当たる人がいたので、光源氏は訪ねました。そしたらなんと・・・・。つづく

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このページは、宝徳 健が2019年3月29日 05:29に書いたブログ記事です。

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