それでくさ、もう一方の東の岸にはくさ、牛飼いの青年、牽牛(けんぎゅう)が住んどつたつたい。牽牛は、毎日、天の川で牛を洗つて、おいしい草を牛に食べさせよつたとよ。よ~う牛の面倒ば見る働き者のよか青年やつたつたい。
天帝はくさ、毎日働いてばかりおる娘ば心配しよんしやつたと。はよ、婿さんば見つけて嫁にやらなと、あせりよつたつたい。そやけんくさ、川の向こうに住んじょる、牽牛をひきあわせようとしよんしうやつた。
天帝「おまえたちふたりは、よう働くけん、結婚しやい。牽牛、うちの娘ばもろうちゃりやい」
牽牛「そげんこつ、夢のような話があつてよかとやろうか。すいまっしぇ~ん。ありがとうございます」と言って織女をもらい、ふたりはめでたく夫婦になったと。
ところがくさ、夫婦になったとたん、仲のよすぎて、朝から晩までいちゃいちゃして働かんくなったげな。天帝は、怒ってくさ
「なんばしよっとね! 仕事ばせんね! 働かんね!」 と叱ったばってん、ふたりは「わかっとっちゃ、明日からやるっちゃ」と答えるばかりで、いっちょん働かんったい。
織女が布を織らんくなったけんくさ、機織機はホコリのすごかとたい。天界には新しい布がのうなってしもうたと。牛もくさ、牽牛が面倒みんもんやけん、やせて倒れてしもうたったい。
天帝は、怒ってしもうて、ふたりを離してしもうたと。ばってん、離してずっと會へんかったらかわいさうやけん、一年に一度、7月7日の日だけ天の川をわたって會うことを許しんしゃったったい。よか話しばい。
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