何の記事だっけ? なんか官僚にケインジアンが多くてという評論家のコメントがあって、さも、官僚にケインズ信奉者が多いような書き方をしていた記事がありました。
ジョン・メイナード・ケインズを正しく学習していません。ケインズは、ニューディール政策や狂人フランクリン・フーズベルトが大嫌いです。ましてや、ケインジアンが安易に唱える「似非ケインズ理論」なんで、塵ほども認めていません。
我が国の官僚には法学部出身が多いので、経済音痴であふれています。経済学部卒業者でも、マクロ経済をよく学んでいないので頓珍漢。そして、我が国家には、軍事学・地政学と並んで経済学のインテリジェンスが全くありません。だから、国民に経済の流れを教えることができない。
歴史の大きなうねりの中で、ひとつだけある真実は、経済の原則には誰も逆らえないということです。どんな権力者でも。だから、永い永い歴史の中でのマクロ経済の動きを把握することはとても大切なことなのです。それを法学部出身の官僚がわかったように短期的な経済学を解釈する。その最たるものが似非ケインジアンです。
これがジョン・メイナード・ケインズの基本的な理論です。新古典派よりも金融政策を重要視しています(もっとも新古典派 ミルトン・フリードマンは見事な理論を展開していましhたが)。
そして、ジョン・メイナード・ケインズがその力量を最も発揮したのが、第一次世界大戦後のワイマール体制のときです。ドイツに対してフランスを筆頭とした国が、筆舌に尽くしがたい難題を押し付けました。ケインズは、その不都合さがやがて体制を崩壊し平和にひびが入ると「貨幣供給量」を軸に体制を構築すべきだと主張します。
ケインズは何を言いたかったか。まずは経済だと。
人は経済的に困窮すると、今の世界を逃げたくなります。そしてそこに入り込んでくるのが共産主義などの悪しき世界です。敗戦前の日本もそうでした。ニ・ニ六事件で、高橋是清蔵相が殺され、その後を受けた蔵相 馬場えいいち(字は忘れました)が間違った経済政策をとって、ものすごい不況になります(まるで、リーマンショック後の白川日銀総裁のような悪魔)。共産主義が忍び込みます。右翼が跋扈します。それでできたのが治安維持法です。別に悪い法律ではありません。
ケインズは貨幣量の大切さを知っていたのです。経済が安定しないと平和が来ないことも。それが書かれたのがこの本です。
「平和の経済的帰結」
すばらしい本です。
世界恐慌後のニューディール政策は、ほんの一時的なものであって、絶対に成功しません。狂人フランクリン・ルーズベルトに気を使ったのか、私たちは、ニューディール政策は成功と習いました。本当に日本の歴史教科書はうそばかりです。
そして、民から金を吸い上げて財政政策(大切だが、財政政策のみではだめ)で景気浮揚を考える人のことをケインジアンと呼び、うまく官僚がケインズの名前を使って、増税をしようとします。
あの世でケインズが怒っています。ケインズの本のタイトルをよく見てください。「雇用、利子および貨幣の一般理論」です。 をはり
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