最近、産経新聞社の同僚や外部の知己から「田村さんが警告していた通りだった」と半ば褒められる。ほかでもない。消費税増税による大災厄ぶりが、内閣府発表の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)統計速報からも明白になったことだ。
慢性デフレの圧力下での消費税増税こそは諸悪の根源、自滅策だと一貫して反対の論陣を張ってきたものの、全国紙経済記者としてはただ1人で、衆寡敵せず(少数では多数にかなわないこと)のようだった。
ようやく事の重大さに気付いた周りの人たちが前記のように声をかけてくれるのだが、そのときは「メディアで消費税大型減税に踏み切るべきとの主張を展開するのは、不肖、産経田村しかいないのが、何とももどかしい」と答えている。
メディアばかりではない。官僚はもちろん、与党、旧民主党、日銀、学者、財界人も圧倒的多数が消費税増税を安倍晋三政権に迫った。「増税すれば社会保障財源は確保でき、安心した家計は消費に励むので景気は良くなる」と増税推進派は詭弁(きべん)を弄したが、惨憺たる結果になると、今度は沈黙するか、見え見えの嘘で弁解するかのどちらかである。
経済の現況を再確認しよう。昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は前期比年率換算で7・1%減、東日本大震災直後を上回る景気急落だ。今年1~3月期はコロナ・ショックでマイナス成長に加速がかかる。2008年9月のリーマン・ショック後の同年10~12月期の2・4%減をさらに下回る情勢だ。
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