令和二年六月号vo.2
令和弐年五月十七日
SOEグループの皆様へ
寳德 健
フリーダムvsリバティ(六月の手紙です)
みなさん、いつもありがとうございます。
自衛隊は全国に数か所の自衛隊病院を有しています。そのトップが自衛隊中央病院です。自衛隊中央病院の副院長は、陸海空将が二人就きます。院長は、自衛隊ではその上の位です。まさに、統合幕僚長や陸海空各幕僚長並みの期待を背負っています。
武漢ウィルスパンデミック初期の時に、自衛隊中央病院では、122人の感染者を受け容れました。そして退院者116人、死亡者ゼロという奇跡のような仕事を成し遂げました。もし、同病院が感染者を受け容れなく、かつ、このような偉業を成し遂げていなければ、おそらく我が国の医療は崩壊していました(複数の医療関係者が語っている)。
なぜ彼らはこのようなことが出来るのでしょうか(自分の猛省から)。
① 医療であっても(医師だけではなくコメディカルすべてが)常に有事と想定した平時の仕事をしているからです。
② 常に、目的→目標→手段の優先順位が明確であるからです。
③ 常に、二つ上の上司の目的を知っているからです。
④ 常に、部隊全員が「同じ絵」をイメージし(これをSAME PAGEと言います)ワンチームを結成しているからです。
⑤ 「国家を護る」という強い意志があるからです。
我がグループにおいてこれを実現していない私には大きな責任があります。
翻って、政治・官僚・メディア そして、我々民間人に至っては、今回のパンデミックにあたってなんと情けなかったことか。BCPにおけるRTO(目標復旧時間)さえありません。
なぜこんな国家になってしまったか。
「フリーダム」と「リバティ」。
なぜこんな国家になってしまったか、そして、私達が、今後、次世代に素晴らしい社会を「遺す」ためには、何に気を付ける必要があるかの最も大切なキーワードです。
敗戦後の我が国は、二回のオイルショック、プラザ合意、バブル崩壊、リーマンショック、二十年以上にわたる(政治のミス)による人為的なデフレなどと、他国なら数回革命が起きるか国家崩壊が起きるかのような中で、なんとか国を維持しました(乗り切ったとは言わない。本当に国家が崩壊したと言っても過言ではない。辛うじて明治教育を受けた「国民レベル」がつなぎとめた)。
なんやかんや言いながら、飯が食える国に国民が甘えてしまいました。牧歌的な時代を過ごしすぎました(特に我々の年代が)。安全保障についても、世界でこれだけ軍事力が集中している地域は皆無なのに自衛隊に過酷なほどまでの無理を強いています。14歳の女の子が攫われても、取り返す気持ちがない国民が育ちました。スパイ防止法さえないことから、我が国の大切な国家資産である企業が支那共産党資本に蹂躙されても平気でいます。
今回の武漢ウィルスパンデミックは、そんな私たちに天が鉄槌を下しました。
閑話休題、フリーダムとは自分たちの運命を他者に委ねないことです。今の我國は、アメリカに安全保障を委ね支那共産党に脅かされています。フリーダムが存在しません。だから、ほとんどの国民にただ単なる我儘であるリバティが残りました。
福澤諭吉先生は学問のすすめの中で
一身独立し一国独立す
国を支えて国を頼らず
と、フリーダムを表現しています。武士が基本であった明治人は、フリーダムが根底にあったからこそパーマストンなどという強烈な政治家が揃う列強の中で我が国を成立させました。
では何をやるか。もう、ブログでも手紙でも会議で申し上げています。1社でも多くの中小零細企業経営者とこのフリーダムを創造していくことです(将来的なコンサル不要)。もし、もう一度武漢ウィルスパンデミックが起きてももう二度と慌てないでいい経営体を実現することです。
力を貸してくださることに大いに期待します。まずは、これを実現するアクターとしての実力を創造ください。私たちは日本人です。
以上
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