素晴らしい本だなあ。書かれている内容もそうですが、日本語が美しい。著者である江本洋氏の教養の高さがうかがえます。高い教養と美しい日本語に触れるとほんとに心が洗われます。
我が國は、「言霊の幸ふ國」。みんなが教養深いきれいな言葉を使うからみんなが幸せになりました。小学校から教えるべきは、あの野蛮な英語ではなく美しい日本語ですね。
ハプスブルク家は、言わずと知れた欧州随一の名家です。
塩野七海女史の「ローマ人の物語」を読破したとき、非常に気持ちがよくなりました。古代においてこんなに工夫(それも単純な)がなされた国があった。
だけど、この美しい國を、あの汚く野蛮なキリスト教(それもカトリック教会主義)が破壊してしまいました。そしてローマ帝国は東と西に分かれてしまいます。
高校時代からこれが勉強100不思議の一つでした。わが国の教育は大切なことを教えません。
ハプスブルグ家は、神聖ローマ帝国の皇帝になった時から有名になりました。この本に書いてあるその経緯を少し。
神聖ローマ帝国はどこだというと、今でいうとドイツ(正確にはかつてのオーストリア)です。なんでローマと、日本人なら思うでしょう。
ドイツ語表記は割愛しますが「ドイツ国民の神聖なるローマ帝国」と訳せます。
でも、ゲルマン民族の大移動の四、五世紀ころまでドイツを支配していたのは実質的にはローマ帝国なので、肯定できないこともありません。実質的にはローマ帝国の支配は早々と終りましたが、この帝国の核をなすキリスト教はドイツにも定着しました。「神聖」とは、「キリスト教を信仰する」。つまり、古代のローマ帝国とかイタリアの首都ローマとは何の関係もありません。
また、この地域にはオランダ、ベルギー、フランス東部、スイス、イタリア北部、オーストリア、チェコ等が含まれます。かなり広範囲ですね。
神聖ローマ帝国を代表し、統治する者がローマ皇帝で、選挙で選ばれた者はイタリアへ赴きローマ教皇から帝冠を授与されて皇帝になります。
本来のローマ帝国が崩れた後、欧州は暗黒の時代になります(これはまた別途)。そして、そんなのもういやだ!とみんなが考えてルネサンス(再生)となります。再生。あのよきローマ帝国時代に戻ろうよと。
あー、キリスト教が近くになくてよかった。江戸幕府が鎖国をしてくれてよかった。
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