フリーダムとは何かシリーズ1
インターネット等で調べるとリバティとフリーダムの違いが出てきます。いろいろなことが書かれていますが、どうも英語のネイティブでも間違えて使われることが多いそうです。でも、どちらかというとリバティの方が好意的に説明されています。まあ、気持ちはわかります。しかしながら、ここで、フリーダムの定義を定めておく必要があります。
フリーダムとは、以下の定義とします。
他に過度に干渉されることなく独立した意思で自らのことを決定できる自由 |
以下、「フリーダム‐国家の命運を外国に委ねるな 江崎道朗著 展転社」より
(枠内が江崎氏のフリーダム。枠外が私です)
「日本を再建するためにはどうしたらいいのか」 (中略) こうした方々に対して私は常にこう伝えます。
「マスコミや特定の外国勢力を批判することも時には必要だし、政治家にも頑張ってもらわないといけないが、日本をよくするためには、明治の思想家、福沢諭吉が説いた『一身独立して 一国独立す』の気概、つまり自らが懸命に賢く強くなり、しっかりと稼ぎ、しっかりと家族と地域を支え、國を支えていく国民が増えていくことが重要だ」
幕末の維新の志士たちの和歌や手記などを読むと、彼らの多くが国難を打開するためには、幕府や既存の政治勢力に頼らず、自分自身が懸命に学び、見識を高め、行動し、独立国家を支えるに足ろうとすることが大事だと考えていたことが分かります。
そして、この独立を担う国民の気概こそが国家の興隆にとって重要だということを、ほかならぬ同盟国アメリカの保守主義たちも考えていたのです。 |
(つづき) 平成二十年にアメリカを代表する民間シンクタンク、ヘリテージ財団の研究員リー・エドワーズ博士による「現代アメリカ保守主義運動小史」を邦訳・刊行しました。この邦訳に際して最も問題になったのが「liberty」や「freedom」の訳語でした。英語の「liberty」も「freedom」も日本語に直すと共に「自由」ということになりますが、邦訳を担当してくださった渡邉稔さんと話し合っているうちに、後者の「フリーダム」は「自由」というよりも「自主独立」と訳すのが適切ではないか、という話になったのです。 |
私は、慶應義塾に入学して、学問のすすめなどの福澤諭吉先生のご著書を拝読しました。その際に、この
一身独立して 一国独立す
国を支えて国を頼らず
という言葉に出逢ったとき、雷のような衝撃が身を貫きそして身が震えました。
あの未曾有の国難に生きた明治に男たちは、ここまでの精神を持っていたのか、と。(もっとも最近は多くの塾生も塾員も 学問のすすめさえ読みません。理念なき学問です)
(フリーダム つづき) アメリカの保守主義たちは、政府による福祉などに依存せず、また、政府の規制に過度に干渉されることもなく、独立した個人をして(神への信仰と道徳・慣習に基づいて)自分のことを自分で決定できる自由を「フリーダム」と呼んでいるのです。 政府による社会保障を拡充することは増税につながり、個人の財産権、ひいては国民の自由を侵害することになる。一方、逆に政府による規制が少なくなり、税金が安くなれば、それだけ、国民の「フリーダム」が強まり、国民の経済は活発になり、豊かな国民が増え、結果的に国民の基盤を強くすることになると考えているわけです。このようにアメリカの保守主義者たちは、個人の「フリーダム」を守っていくことが国家の「フリーダム(自由、自主独立の精神)」を守ることになるという捉え方をしているのです。 |
(潜在的)国民負担率という言葉があります。個人や企業の所得に占める税金や年金・健康保険・介護保険など社会保険の負担の割合(つまり、公的な負担の重さ)を示します。
2020年度/2017年度比較で、我が国の国民負担率は49.9/49.2です。国家を運営するためにはもちろん国防や警察などのお金が必要ですから、一定の税金は必要です。
一方で、今回の新型コロナウイルスパンデミック対策で、政府から私たちコンサルを中心として発表された中小企業支援策は、実に80ページを越しているのです。誰がこれをすべて把握できるのか!(私たち専門家でもこれを完全理解することは無理です。逆に、これを完全理解して国から金をせしめようとする人間は、詐欺師といってもいいです)。
つまり、私たちが働いたお金を半分近く。ほとんど「罰金」まがいの税金等というお金で吸い上げて、それを官僚たちが都合の良いようにばらまいているのです。そして吸い上げられすぎているので、どんどん国民が甘えてきます。無税国家の実現という松下幸之助翁の声が聞こえてきます。
これが國を支えて國を頼らず でしょうか?フリーダム でしょうか?
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