麦ふみは麦の苗の部分を踏むことによって、茎が折れ曲がったり、傷がついたりして、水分を吸い上げる力が弱まり、麦の内部の水分量が少なくなるため、寒さや乾燥に強くなります。また、根の成長や増加を促進します。霜柱が土を持ち上げて、根を傷めることを防ぐ効果もあります。
足で踏むことで浮き上がった土を押さえ、しっかり土に根を張らせ、まっすぐ伸びる丈夫な麦に育てることができます。昔は人の足で行なわれましたが、最近ではローラーをつけたトラクターも使われるようになりました。
麦踏みは穀物栽培の中でも非常に特徴的なものであり、育った芽を踏みつけるという一種独特な農作業の一行程です。近代に入る前の昔の日本から現在まで麦踏みは行われ、「春の風物詩」としての文化的側面を持っていました。
麦踏みは体力がいらず簡単にできる農作業であることから、昔から時期が来ると子どもたちも駆り出され、村のいたるところで行われていました。
このように、麦踏みは早春の田園の風物詩でもあることから、俳句での春の季語としても認定されています。昔の日本文学でも麦踏みが作品内で挙げられることも多く、和歌をはじめとした歌にも歌われる題材です。
麦は麦踏みによって踏まれて強く育つことから、「麦踏み」という言葉自体が精神性を併せ持ちます。春の麦踏みは、日本文化・精神文化の一つとして親しまれていま。我が國って素敵ですね。
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