我が國がなぜ、こんなに早く唐と新羅の連合軍が攻めてくることがわかったか。そこには感動の物語がありました。これも、私たちが子供のことは学校でならったのですがねえ。今の教師は、よほど我が國 日本の素晴らしいことを子供たちに教えたくないみたいです。
大伴部博麻 おおともべのはかま
という名前を忘れてはいけません。
斉明天皇の七年、大伴部博麻は兵士となり百済を救う戦いのために出征しました。
でも、そこで、唐の軍隊の捕虜となってしまいました。
唐には、別に日本から四人の人間が来ていました。その四人が、唐の日本に対する侵略計画を知って、それを何とか朝廷に奏聞(そうもん 報告)したいと思いました。でも、衣服・食料・路銀がないので帰國ができません。
その時、大伴部博麻が、彼ら四人に言いました。
「私は、君たちと一緒に、日本の朝廷に還りたいと思うが、衣糧がないので一緒に還ることができない、どうか、私を奴隷に売って、君たちの帰国のための費用に充ててくれ」
世人たちは帰國し、唐の軍略を朝廷に通報することができました。
大伴部博麻は、一人唐にとどまりました。なんと三十年間も奴隷のまま。
朝廷はその忠誠心に報いました。ありあまるほどの褒章によって。
かつての日本人とはなんとすごいことか。
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