2007年から2008年にかけて、出光美術館で「乾山の芸術と光琳」が開催されました。私の古巣ですね(笑)。観に行きました。
尾形光琳と乾山の兄弟が代表する琳派とは、江戸時代に王朝文学を蘇らせた「日本のルネサンス」と言われています。源氏物語や伊勢物語にDNAを持つ芸術が、江戸時代の人々の生活隅々まで浸透しました。
欧州のルネサンスに比べてずいぶん穏やかですね(笑)。さすが我が國。
その素晴らしい芸術の数々の中に乾山の肉筆画がありました。色とりどりの秋の草花を入れた三つの竹籠を描いた「花龍図」です。その中に和歌が書き込まれていました。
花といへば 千草ながらに あだならぬ 色香にうつる 野辺の露かな
三条西実高(さんじょうにしさねたか)の作です。そう、次の源氏物語解説は三条西実高です。
さて、本文。
光源氏は二条院(光源氏の住まい)に帰って紫の上の御機嫌をとります。
光源氏はいろいろな言い訳をしますが、紫の上は、一人一人の女性をとりあげで対抗します。このあたりなかなか面白いので読んでくださいね。
そしてその夜、最愛の禁断の女性故藤壺を光源氏は思い出します。
なき人を したふ心に まかせても かげ見ぬみつの 瀬にまだとはむ
みつの瀬は、三途の川です。亡き人をひたすら慕ってかけていっても、その姿を見ることなく三途の川で迷うことになるだろう。という意味です。ここで第二十帖「朝顔」が終わります。
次回から「少女(おとめ)」です。第二十一帖。
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