任務分析とは、不易と流行をつなぐ「運用の鍵」です。自衛隊では、2つ上の人の目的を知れ。と言います。戦闘の時に上官が亡くなったとき「どうしよう」と言っていたら戦闘に敗けてしまいます。
また、いちいち、「どうしましょう」と上官に聞いていたら戦いになりません。前回の任務分析では、当事者意識を英語でオーナーシップと呼ぶということを紹介しました。
さて、振り返り。任務分析には、「戦いの9原則」があります。
第一原則 目標の原則(目的を明確にし、目標、手段へと落とし込む)
第二原則 主導の原則(主導権の把握が勝利の決め手となる)
でした。では、今日は、第三の原則 集中の原則(決勝点で優位に立てば勝利を手にできる)です。
ヒト、モノ、カネ、情報という経営資源には、どうしても限りが生じています。特に中小企業では、それらを十分揃えようとすると、却って非効率になります。
限られたパワーを効果的に使うには「目的達成に一番効果的な目標」を設定し、戦力を一点集中することが不可欠です。これは、目設定能力なのですが、目的が弱かったり、目標が不十分なことが多々あります。
全般的には、劣勢でも、この一番の局面で相手に優るエネルギーを集中出来れば、最終的に勝利をつかむことも可能です。
このような重要な局面を「決勝点」と言います。勝利を獲得するには、決勝点で「敵に対して優勢に立つこと」。これを「相対的戦闘力の優勢」と呼びます。
昔、宇佐美の親父さんとラーメンを食べに行って「宝徳、このラーメンはうまいか?」と聞かれました。本当においしかったので「はい」と言ったら、「なぜうまい」と聞かれました。私は、わかりませんでした。答えは「まずいラーメンを食ったことがあるからうまいラーメンが分かるんだろう」です。
なるほど、これが相対的優勢なんだな」と思いました。
織田信長の桶狭間の戦いがそうですね。
目的と目標を絞り込み、一番重要な目標に集中すれば、弱者が強者にも勝てるということです。
この章は、つづきます。
コメントする