憲法と憲法「典」が違うことは、繰り返し申し上げてきました。憲法とはその國も歴史、文化・文明、伝統、風習などなどです。だから、イギリス人たちは、血みどろの歴史でやっと手に入れた憲法を不文憲法にします。その運用に集中します。
その憲法を文章化したのが憲法「典」です。ですから、我が國の憲法をきちんと文章化していない日本國憲法「典」は、完全な憲法違反なのです。憲法改正論議は、そこから始めなければ意味がありません。
今の憲法「典」学は、敗戦後の厚顔無恥な宮澤俊義の憲法「典」学が主流です。法曹界も官僚も政治家もおよそ憲法「典」に関わる人は、すべてそれを学んでいるので、完全に騙されています。いや、知っていても今さらそんなこと言えるか、と思っているのかも。
でも、憲法「典」学者があれほど鉄壁な防御で憲法「典」改正を叫んでいるのに、一切口を挟まないことがいくつかあります。今日は、その一つを紹介しましょう。
日本國憲法「典」に誤植があり、そのことにも、憲法「典」学者たちが口をつぐんでいることはまた別途紹介しましょう。
今日は、憲法「典」第八十九条を紹介します。
「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若
も
しくは団体の使用、便益若しくは維持の
ため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又は
その利用に供してはならない」
つまり私学助成は憲法「典」違反なのです。
なぜ、この話をいまするかというと、日大の事件で私学助成が全額停止という新聞記事が載ったからです。でも、ここに憲法「典」違反という枕詞がつきません。
どうすればいいか、公立学校をなくせばいい。文科科学省もいらない。それで浮いたお金で、給付型の奨学金を出せばいい(それも厳しい条件で自主的に学ぶ者にだけ)。文部科学省の予算ってなんと5兆円。奨学金をつくれます。軍事費と同じぐらいです。自衛隊があれほど、公的な活動をしてくれているのに、公とは認められないのに、ひどいですね。
ちなみに、厳格に解釈す
れば、私学助成は憲法「典」違反です。ところが、厳格に解釈しないことについて与野党の合意が
成立しており、毎年多額の私学助成金が予算に組み込まれています。
無茶だって? アメリカのハーバードもMITも私立です。オックスフォードもケンブリッジもパブリックスクールです。
我が國も明治維新までは、寺子屋でした。その方が、優秀な学生は、無料で学べるし、学校もその優秀な学生を集めたいので、学校経営の「質」を必死になって創ります。
京都大学で学んだ、うちの息子も言います。「あれ、いらない」って(笑)。
憲法「典」学者よ、何か言ったら?
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