私の履歴書49(皇紀弐千六百八十二年 令和四年四月二十九日 四)

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 A君の初恋です。

 ある時、クラスに来てA君がみんなに言いました。彼女が出来たったい。

 もう、おのろけ話ばかりですが、少しピントが外れていました?」

A「聞いちゃってん、聞いちゃってん。昨日くさ、デートばしたったい」
寳「よかったやないや~。どげなデートやったとや」

A「あのくさ、楽しかったったい。飯ば食ってくさ、帰ろうとするときに、送っていく駅についたら、なんか、もじもじしとろうが。回り道ばしようとするけん、言ってやったったい「なんしようとや、お前の家はこっちったい」って」
寳「それは、お前、もう少し一緒にいたいという意思表示やろうが」
A[そげんや!それは知らんかった」
寳「それからどうしたとや」

A「家の前についたらくさ、なんか、また、もじもじしよろうが。なかなか家に入らんけん「早よ、入らんや、俺が終電に乗り遅れようが」っていったたい」
寳「それは、ちょっとよっていかないとうい意思表示やろうが」
A「そげんや!失敗こいたね」

 もうおかしいですが、本人は真剣だから笑いをこらえるのが必死です。

 私も女性との接し方は、超絶へたくそですが、ここまでではありません。

 そんなA君ですから、ふられる日がついにやってきました。
 ある日、A君がクラスにやってきました。

A「聞いちゃってん。昨日くさ、彼女にふられたったい」
寳「えーーーーーっ!どげんしたとや」

 A君は超硬派ですが、悪い奴ではありません。当時の博多ではきちんと受け入れられています。とてもいいやつです。

A「とにかく、澁谷の喫茶店で別れ話になったったい。俺もびっくりしたったい。二人でシーンとなったときに、流れてきたのが、オフコースの さよなら  ったい。 もう、ぴったりの曲で、悲しくて悲しくてしかたのなかろうが。寳德、今日は、夜、飲みにつきやちゃっりやい。話ば聞いちゃりやい」
寳「(A君には悪いが吹き出しそうでたまりませんでした) よかよ。聞いちゃるよ。徹夜で飲もうかね」

どこに行ったんだっけなあ。店は忘れましたが、とにかく二人でへべれけになりました。徹夜と言っても当時は24時間の店などないので、おそらくA君の家(下宿)に泊まったのだと思います。

 あっ、思い出した。渋谷にある鳥みきというお店です。

 検索したら、移転していますが、まだ、ありますね。とてもきれいな店になっている。前は、二階と三階があって、二階は狭いカウンターだけの店。三回は、屋根裏部屋で団体が入れるお店。味は、抜群でした。昭和55年前後ですから西暦は1980年前後。もう42年前ですね。歳をとるはずです。でも、A君とまた、この店に行きたいなあ。今だったら、店で黒田節を歌ったらたたき出されますね(笑)。
 

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このページは、宝徳 健が2022年4月29日 06:41に書いたブログ記事です。

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