つまり、政府は、令和七年(2025年)までに七十歳となる後継者未定の中小企業約127万件のうち黒字廃業の可能性がある約60万件の第三者承継を目標に生き残れと言っています。第三者承継。つまり、内部に引き継ぐ人間がいなければ、内部承継をあきらめてもM&Aをやってでも承継しろと。それほど、中小企業の技術をはじめとした経営資源は我が國には意味があります。
そのためには3つの課題があるとも。
その経済産業省が設定した3つの課題とは、以下の通りです。
課題 |
内容 |
マッチング前 |
売案件が圧倒的に少数:売1:買9(ただし私から言わせると潜在的市場を見るとこれは間違っています。売りが圧倒的に多い) ① 経営者にとって第三者承継が身近でなく、他者へ「売る」ことへの抵抗感が根強い。 ② 仲介手数料や仲介業者などのM&Aに関わる情報が不十分で売りを躊躇する。 ③ (この二つ経済産業省の課題設定では不十分します。これは私見ですが)中菱零細企業を売りに持っていくだけの力がある支援者がいない。我が社はこれができます。 |
マッチング時 |
マッチングの成立が困難:事業引継ぎセンターの成約率は8% ① 個人保証の存在により、承継を拒否。 ② 適切な相手が見つからない(従業員を含む)。 |
マッチング後 |
承継後の経営統合が困難 承継後の経営統合や事業戦略の再構築にコストを要し承継を躊躇 |
この課題に対して3つの方向性を決めています。
課題の内容 |
対策の方向性 |
マッチング前:売案件が圧倒的に少数 |
経営者の売却を促すためのルールの整備や官民連携の取り組み |
マッチング時:マッチングの成立が困難 |
マッチング時のボトルネックの除去や登録事業者数の抜本増加 |
マッチング後:承継後の経営統合が困難 |
マッチング後の各種コストの軽減 |
そして、この10年間の目標は、
黒字廃業を回避するための第三者承継支援総合パッケージ(10年間の集中実施)
10年間で60万者(6万者/年×10年)の第三者承継の実現を目指す。 技術・雇用等の中小企業の経営資源を、次世代の意欲ある経営者に承継・集約。 |
課題の方向性への対応の具体策は、
マッチング前:経営者の売却を促すためのルールの整備や官民連携の取り組み |
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1-1 |
「事業引継ぎガイドライン」を改訂し、経営者が適正な仲介業者・手数料水準を見極めるための指針を整備。第三者承継を経営者の身近な選択肢とする。 |
1-2 |
事業引継ぎ支援センターの無料相談体制を抜本強化し、経営者が気軽に相談できる第三者承継の駆け込み寺に。 |
マッチング時:マッチング時のボトルネックの除去や登録事業者数の抜本増加 |
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2-1 |
「経営者保証ガイドライン」の特則策定により個人保証の二重取りを原則禁止。 |
2-2 |
「事業引継ぎ支援データベース」を民間事業者にも開放し、スマホのアプリを活用したマッチングなど、簡便なしくみを提供。 |
マッチング後:マッチング後の各種コストの軽減 |
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3 |
新社長就任に向けた後継者の教育支援や、事業の選択と集中を促す補助金の創設をはじめ、予算・税・金融支援を充実 |
各県の事業引継ぎセンターはこの流れで設置されました。次号から具体的施策を述べます。
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