【第百十三号:不都合・不合理・鬱陶しさ・不条理・理不尽・お陰様】
弊社月刊誌「士魂商才(しこんしょうさい)」第百十三号(実務編:流行)です。タイトルは「不都合・不合理・鬱陶しさ・不条理・理不尽・お陰様」です。
詳しくは後述しますが、先日、叔父(父の弟)の四十九日に行ってきました。悲しみはもちろんありましたが、みんなと集えてとても楽しかった。不謹慎ですが(笑)。
叔父とは私が生まれた時から小学校1年生か2年生まで家族として一緒に住んでいました。祖母と父と母と叔父と姉と私と妹の7人家族です。だから、叔父ですが「お兄ちゃん」と呼んでいます。野球も将棋もお兄ちゃんから教えてもらいました。母は、お兄ちゃんの家庭教師をみたいなことをしていました。お兄ちゃんはいつも言っていました「義姉さんには世話になった」と。お兄ちゃんが働くために家から出ていくときはとても寂しい思いをしたのを覚えています。大学生になった時に一番に会いたかったのはお兄ちゃんです。遊びに行くとまたお兄ちゃんが帰っていない家でお嫁さんと、二人の息子さんが出迎えてくれました。結婚した時も、私の嫁さんを一番連れて行きたかったのはお兄ちゃんのところです。新たに生まれた娘さんも含めて皆さんが大歓迎してくれました。
お兄ちゃんは、祖父を知りません。祖父はシベリア拉致(抑留という表現は適切ではない)で帰ってきませんでした。寳德家は、母方も父方も引揚者だったので、命からがら逃げてきました。引揚げとはとてつもない不合理・不都合・鬱陶しさ・不条理・理不尽です。でも、暗い人間は一人もいません。みんな苦しいことに対峙しながら前を向いて生きてきました。だからお陰様の気持ちを知っている厳しく優しい人たちに囲まれて私も生きてきました。
新型コロナウィルスパンデミックもたまらなく不都合・不合理・鬱陶しさ・不条理・理不尽です。でも、それは全て外部環境です。外部環境が変化したから苦しいのではなく、外部環境の変化に対応しなかったから苦しいのです。そんな姿を大人が見せないと、子供たちはどうするのでしょうか?世間が優しさを追求するあまりそれが甘さになっていないだろうか。不合理・不都合・鬱陶しさ・不条理・理不尽があるからこそ、お陰様の気持ちが出来ます。そういえば、病気と貧乏で苦しくて苦しくてしかたがない亡母が、私にいつも投げかけてくれた言葉があります。「負けてはいけません」です。勝てとは一度も言われなかった。今月号もお楽しみください。
感謝合掌
皇紀弐千六百八十二年 令和四年九月吉日
株式会社 経営戦略室
代表取締役 寳德 健
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