2024年4月アーカイブ
ふるさとの 花さへ見えずに 豊浦の 新防人(にいさきもり)と われは来にけり
昨日に引き続き、久坂玄瑞の歌を紹介します。
いくそたび くりかへしつつ 我が君の みことし読めば 涙こぼるも
けふもまた 知られぬ露の いのちもて 千歳を照らす 月を見るかな
この文は火の難から救われることを書いています。
人もし観世音菩薩の名前を受持念称する時は、たとえ燃え盛る火の中に入るほどの苦しみ怒りくるうようなことがあっても、その火で焼かれることはありません。これは観世音菩薩の大慈大悲の神力が働くからです。
繰り返しますが、仏教は、西洋の宗教のように誰かが救ってくれるというものではありません。誰かが救ってくれると思うと救われなかった時にその誰かの責任にしてしまいます。
仏教は、自分の中に宇宙があると教えます。だから内観せよと。今回の教えも、観世音菩薩という自分の中に本来存在しているものを見つけたらということになります。
でも二十五歳という若さで蛤御門の変で流弾を受けて自決しました。
2.結論と現在の日本の失敗要因
結論から申し上げると、失敗の要因は「主権者國民の責任です」。政治家や官僚やそのポチであるメディアに騙され、騙されるがままに政治家を選びます。よく「この國は一体どうなるのですか?」と聞かれます。まず「この國」と第三者発言をしている段階で「主権放棄」です。社会主義政策を取ると、だまっていてももらえるお金が増えるため、主権者と言われている國民は努力をしなくなります。
そういうふうに官僚や政府に飼い慣らされているのが今の「主権者國民」です。貯金のない人が結婚しようと思うでしょうか?子供を作ろうと思うでしょうか?子供の教育費用はどうするのでしょうか?企業はこの混沌としたリスク環境のなかでそれを乗り越える投資資金をどうするのでしょうか? 國家百年の計といわれる教育はどうするのでしょか? それらを否定する、GHQが1週間でつくった憲法「典」をどうしようとしているのでしょうか? 北朝鮮に同朋が拉致されても軍を派遣して奪い返すことすらしません。ソ連が亡くなった時に北方領土を奪い返す最大のチェンスが巡ってきたのに、奪い返せ!と政府に言いもしません。こんなことなら天皇陛下に大政奉還したらいい。
閑話休題。政治が経済に対して唯一できることは、マクロ経済の三つの市場を活性化して「民の活力を強める環境を整備する」ことです。社会主義のような環境をどんどんつくることではありません。
城山三郎の大ベストセラーに「官僚たちの夏」という本があります。「経済を民間だけに任せていられない。我々官僚の出番だ」と旧通産省の役人が池田勇人がモデルの首相に楯突く本です。実際は、池田勇人が官僚を押さえ込みます。
子供の頃、どんどん生活環境が変わりました。男たちは必死になって金を稼ぎ、優秀な女性は世に出て活躍し、家庭に入る女性は必死に子供を育てました。「洗濯機・冷蔵庫・テレビ」が家庭の三種の神器と言われ、どんどん身の回りの生活が豊かになりました。その後も「カー、クーラー、カラーテレビ」が新三種の神器と呼ばれました。ほんとうに活力がある國でした。「Japan as No.1」という本をアメリカ人が書きました。少子化だから経済成長ができないなどというメディアの宣伝に乗せられないで、もうそろそろ目を覚ましませんか?マクロ経済を学んでみませんか? MMTなどという共産主義左翼リベラルの嘘に騙されないように。
昭和天皇がまだ摂政の時代に正月の宮中歌会はじめで詠まれた御製です(大正十三年)。
前の年に關東大震災がありました。
雄大な歌です。陛下御自身が御政道で濁らないぞと決意されてゐます。大正十五年の御製です。まだ昭和天皇が摂政をやられている頃でしょうか?
昭和六年の御製です。天子樣の主なお仕事は祭事です。私たちの伺いしれないところでいつも私たち臣民を慈しんでくださっています。これ以上の幸せはないですね。
こころをすっきりさせたかったので天子樣に甘えてしまひました。古今東西、統治していただく方を天子樣とお呼びできるのは我が國しかありません。
① 財市場(モノの市場)
② 貨幣市場(お金の市場)
③ 労働市場(労働力お市場)
現代ではこれに情報市場が加わるのかもしれませんが、これらの市場が、大きく、太く、速く、自由に動けばその國の経済は活性化します。当たり前のことですよね? 今は、税金吸い上げて資金の動きを抑え、天下の悪法労働法規が労働の自由化を妨げて、財市場では、1日に3つぐらいの様々な官僚規制ができていて、これら市場の動きを小さく、細く、遅く、不自由にしています。なので、30年間も國富(名目GDP)が伸びていません。トランプが大統領の時1対2ルールというのを官僚に守らせました。官僚が1つ規制を作ったら2つ既存の規制を廃止するというものです。こういうのを政治主導というのだよ。旧民主党諸君。トランプはプラス減税をしました。
池田勇人も、民の活力を高める自由主義の政策を採ったのです。政府は減税と規制緩和で民の活力を高め、民間が自由に商売ができる仕組みを整えました。あとは國民の活力に任せるという自由主義経済です。今の日本の社会主義経済政策とは対極をなします。
逆に、政府は新幹線や高速道路などの誰もが使う公共物を建設しました(敗戦後で民間にお金がなかったので)。今の日本政府のように間違っても成長計画を作成したり、儲けを指導する、賃金を無理やり上げさせる、成長産業を絞って投資するとなどといった、まさに愚かな徳川吉宗や松平定信や水野忠邦のような政策はしなかったのです。
池田勇人は、10年で所得を倍増すると國民に宣言してそれを見事に達成しました。10年で倍ということは年7%の経済成長が必要です。最初の頃は、冗談と受け取られ大爆笑されたようです。
2.成功要因②
池田勇人は日銀を抑え込んだのです。日銀は金融緩和大反対の官僚たちです。池田勇人と小渕恵三以来、故安倍晋三元首相(以下、安倍晋三)が黒田さんを日銀操作に送り込むまで、日銀は金融緩和(お金を刷ること)に反対しました。
池田勇人の時代も同じです。日銀は「利上げをすれば勝ち、利下げをすれば負け」という価値しかない愚か者の集まりです。自分たちは物価の番人とのたまっていますが、デフレで物価が下がっても知らんぷりです。日本銀行は國家経済・國民生活がどうなろうが、金利を上げたがるのです。なぜかって? 謎です。これを「日銀理論」と言います。なので、一度総裁が決まったら総理大臣でも解任できない日銀法改正は我國の喫緊の課題です。日銀は「銀行の銀行」で、金利さえ上げておけば銀行は原価割れしません。こういうのを殿様商売と言います。
池田勇人の時代も日銀は金利を上げたかったのです。そして、池田勇人にも何度も利上げ要請がありました。日銀は「独立を認めるように法改正をしろ」と池田勇人に言いましたが、池田勇人は一蹴します。日銀がもっているのは「金融政策の独立」であって「日銀の独立」ではありません。メディアはこれについても間違っています。「日銀は独立している(今の日銀法はそういう悪法になっているが)」と主張します。池田勇人は日銀から恨まれます。
池田勇人は、安倍晋三が黒田総裁を送り込んだように、山際正道を日銀に送り込みました。池田勇人の大蔵省時代の同期です。「日本銀行百年史」では、悪魔のように描かれています。
山際総裁の後に池田勇人が送り込んだのは宇佐美総裁です。三菱銀行出身です。つまり、日銀の子会社から総裁が出されたのです。日銀の完敗です。日銀にとっては、腹わたが煮えくり返る出来事です。
つまり、総理大臣が景気をよくし、長期政権を築きたければ、日銀を抑え込んでまともな政策をやらせることが重要なのです。
受諸苦悩聞是観世音菩薩一心稱名観世音菩薩即時観其音聲皆得解脱
- 火の難(火による苦しみ)
- 水の難(水による苦しみ)
- 羅刹の難(悪鬼による苦しみ)
- 刀杖の難(武器による苦しみ)
- 鬼の難(悪霊による苦しみ)
- 枷鎖の難(縛られる苦しみ)
- 怨賊の難(犯罪者による苦しみ)
池田勇人(第60代内閣総理大臣 首相在任期間:昭和35年(1960年)7月~昭和39年(1964年)11月)が、日本を世界一豊かな國にしました。かつて日本は「一億総中流社会」を実現しました。資本主義の國として理想の姿ですが、それさえもメディアは否定しました。「ワーカホリック(仕事中毒)」とか「日本人の家はうさぎ小屋」だといって。先鋒を切ったのがいうまでもなく國賊 朝日新聞です。
1.成功要因①
池田勇人は、日本の経済力を熟知し、何をどうしたらいいかがわかっていて、それを全部実行できた強い総理大臣でした。我國は、敗戦國です。親会社のようになったアメリカは、乗っ取った子会社 日本を潰すつもりでGHQ(占領軍)という愚かな連中を経営陣として送り込んできました。GHQの社長であるダグラス・マッカーサーなどは米國では何も相手にされない人間です。池田勇人は、そんな理不尽極まりないGHQの要求を飲みながら、1ドル=360円の固定相場だけは認めてくれるよう懇願します。だいたい1ドル=300円ぐらいが適正だったのをなんとか認めさせました(これがアメリカの好意でなったというメディアばかりです)。1億ドルものを海外に売って300億円になるのと360億円になるのとでは、儲けが60億円の差になります。売れば売るほど儲かります。
ちなみに教育勅語が廃止されるとき日本側は「これは危険な思想ではなく、立派な日本人を育てるための道徳だ」と懇願したら「じゃあ廃止しよう」となりました。立派な日本人など邪魔なだけだったのです。この為替レートでも、他の交渉要因で抵抗していたら認められていなかったかもしれません。一点突破でこのレートを池田勇人は通しました。当時は金本位制です。政府の発行する通貨は金と交換できます。なので、政府は金の保有量に合わせてお金刷ります。金の保有量に合わせてアメリカがお金を刷ると、1ドル=360円で固定されているので、円もまた刷らなければなりません。360円分紙幣を刷るのと、300円分するのとでは、まったく違います。貨幣供給量の増加というマクロ政策です(金融緩和)。さあ、ここに抵抗勢力が出てきます。日銀です。
経済とは國の身体そのものです。身体が強く大きければ、それに合わせて服を買います。自分のできることできないことが決まってきます。つまり、経済が國の身体そのもので、法律や防衛や福祉や外交などは、衣服や道具でしかないのです。明治の男たちはこれに気づきました。だから「富国強兵」という政策を打ち立て國家を守りました。というか、そうしないと國が潰れてしまうということに気づいたのです。今の日本でこれに気づいて愚痴を言わずに手を打っている人はどのくらいいるでしょうか?
戦前、我國には共産主義が跋扈(ばっこ:のさばること)しました。経済政策を失敗して貧しくなるとこうなります。敗戦後にも、我國には共産主義革命が起きる危機がありました。もし、池田勇人がいなければその可能性がありました。國民は、貧しいといろいろな思想に走ろうとしますが、経済を成長させるとそんな馬鹿げた思想などにかぶれるよりも働いてどんどん伸びる給料をもらった方が得をすると判断します。これが経世済民です。江戸時代にも昭和にも平成にも令和にもこのマクロ経済がわかっているリーダーは、萩原重秀、田沼意次、池田勇人、小渕恵三(人気がなかったけど良い総理だったの。早逝したのが惜しまれます)、安倍晋三しかいませんでした。あとは、みんな緊縮財政か、インフレ時にインフレ政策をとる愚か者か、結果としてのミクロ経済に対策を打つ者ばかりです。さあ池田勇人をシリーズで解き明かしましょう。
お釈迦様、観世音菩薩はどのような因縁があって、「観世音」と名前がつけられているのでしょうか。
観世音という名前の由来が次回以降わかります。
玄奘三蔵法師は、観自在菩薩と呼んでいます。般若心経も観自在菩薩です。この違いは何か。つづく