昨日に続いて、久坂玄瑞の歌を紹介します。
けふもまた 知られぬ露の いのちもて 千歳を照らす 月を見るかな
どうしてこんなに上手な和歌が詠めるのだろうか。幕末という世界での為せる業でしょうか。
すさまじい歌ですね。ものすごい緊張感です、あったこともない百年以上前の人の歌なのに、久坂の心情が今もまた伝わってきます。「露のいのち」とい うのは、中世から「はなかい」という意味で使われてきたことばです。日夜刃のもとを生きている彼らです。明日をも知れる生命の危機感の中で、永遠に変わらぬ月をみています。命を懸けた行動の瞬間のほっとした安らぎがあります。昔の日本人は、みんな和歌が詠めたのですね。私たちはどうしてしまったのでしょう か。
【今日の拙首です】
いかに生く 身を置く時代 にらはれず 己の身勝手 くやしく思ふ
コメントする