円安がえらい騒ぎになっています。結果からすればそうでしょう。昨日、書きましたが、「円安」という結果に対策を打つ、為替操作はだめだと申し上げました。
対策は「原因」に打たないと、結果だけに対策を打つと、いつまでもその「原因」が残ってしまいます。政府の政策は結果に対するポピュリズム(大衆迎合主義)では、絶対にダメです。
二宮尊徳翁の言葉です。
遠くを図る者は富み、近くを図る者は貧す
その対策として、産経新聞の田村秀男さんが面白い記事を書いていました(4月26日)。彼はもと日本経済新聞です。
それがリパトリ減税です。リパトリとはリパトリエーションの略で、「本国に帰還する」と言う意味ですが、金融分野では「海外にある資金を國内に戻す」と言う使われ方をします。日本では期間投資家が、決算に備え、毎年2月〜3月にかけてリパトリを頻繁に行う傾向がありあます。海外で運用している外貨建て資産を売って、円に交換することが活発になり、円買いドル売りで円高要因になります。
我國が世界最大の対外債権國家であることは、前に申し上げました。昨年末で約1500兆円あります。つまり、我國は、「ストック」おいては世界一だと言うことです。國内でフローで儲けることができないので、海外に資産を移し、ストックしています。財務省、猛省を!
その海外債権のうちの183兆円が、外貨準備高です。これを取り崩しても円安は治りますが、財務省は自らの利権なので、それはやらないでしょう。
メディアも財務省には怖くてこの事実を突きつけることはできません。國民は、知らないままです。
ここに田村秀男氏が提言しているのが「リパトリ減税」です。対外純資産の民間資産を一部還流させれば、大規模円買い、ドル売りがおきます。還流策の代表が「リパトリ減税」です。海外資産を本國に送金する企業の法人税を減税するのです。アメリカでは2005年の1年間に限り、当時のブッシュ政権が「本国投資法」に基づき実施してドル相場を上昇させました。
これも財務省が減税を渋りますが、そんな財務省に負けているのなら政治家は不要です。要は岸田首相の決意次第です。
原因にターゲットを当てましょう。
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