蟋蟀在戸(皇紀弐千六百八十四年 令和六年(2024年)十月十八日)

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 今日から七十二候は、寒露 末候 蟋蟀在戸(しっそくこにあり)です。キリギリスが家の中で鳴き始める頃です。

 暦に従って生きる農民の一年を詠んだ歌の一節です。「七月は野にあり、八月は軒下にあり、九月は小口にあり、十月になると我がと床の中に入り込む」。寒さが増してくるに従って、入り込むコオロギの修正です。

 西行法師も歌を詠んでいます。

きりぎりす 夜寒の秋の なるままに よわるか声の とほざかりゆく

 素敵な歌だなあ。

 昔はコオロギのことをキリギリスを読んでひたので、この蟋蟀はコオロギやなく虫の総称です。

 子供の頃の家は木造だったので、家中、すきまだらけ笑笑。おやつをこぼそうものなら、すぐにアリの大行列が家にできました。

 コオロギもよく家に入ってきたなあ。しまってある服とかをかじるんですよね。とにかく虫がとても身近にいました。
 
 歌もよく歌いました。「虫の声」。声としていところが日本人らしいです。これほんとうは「蟲のこゑ」なんだそうです。情緒がありますよね。鈴虫の声は綺麗ですねえ。「リンリン リンリン」って。飼って声を聞くのが楽しみでした。

  1. あれ松蟲が鳴いてゐる。
     ちんちろちんちろ ちんちろりん。
    あれ鈴蟲出した。
     りんりんりんりん りいんりん。
    あきの夜長を鳴き通す
     あゝおもしろい蟲のこゑ。
  2. きりきりきりきり きりぎりす。
     がちやがちやがちやがちや 轡虫(つわむし)。
    あとから馬おひおひついて
     ちよんちよんちよんちよん すいつちよん。
    秋の夜長を鳴き通す
     あゝおもしろい蟲のこゑ。

 今の子供知っているのかなあ。

 最近、聴く機会が少なくなりました。残念だなあ。

 昔、イギリス人が蟲のこゑのことを「ノイズ(雑音)だ」と言いました。なんだか悲しくなりました。

 世界的数学者の 藤原正彦さんが言っています。「世界の優秀な数学者は一人の例外もなく、子供の頃に情緒がある土地に住んでいる」と。日本はまだまだ少しいけば東京以外は田舎だから大丈夫ですね。

【拙首です】
リンリンと こゑの鈴虫 秋の夜に 一緒に過ごす うつくしき時

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このページは、宝徳 健が2024年10月18日 06:36に書いたブログ記事です。

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