宇佐美の親父さん7:米の価格(皇紀弐千六百八十四年 令和六年(2024年)十一月十八日)2

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 先日のブログ記事で親父さんの享年を71歳と打ち間違えてしまいました。77歳です。ごめんなさい。親父さんにぶん殴られそうですね😭。

 ある時、宇佐美社長室で、親父さんと二人きりでした。だいたい1回行ったら4時間から7時間。何にもしないんですよ。親父さんのルーティング終わるまで私は、社長室の棚を眺めながら「今度、親父さんの機嫌がいいときに棚にあるあれをくださいと言ってみよう」とか思っていました。

 親父さんの仕事が終わったら社員の方々が親父さんに相談に来ることも多かったので、それが終わって4時間から7時間の終盤から四方山話を親父さんとします。ただし、親父さんはそのなりにとは違ってとてもシャイなのです(親父さんゴメン)。でも、その終盤の会話には、親父さんが出光に話そうと思ってもなかなな話せないことが含まれていますので、面白い話の中の大切な話を聞き逃すことができません。私が親父さんと対峙して一番緊張する瞬間です。

 ある時、その終盤に、親父さんが言いました。

親「宝徳なあ、昔、スタンドから油が裏の田んぼに流出してなあ。田んぼの持ち主が怒鳴り込んできたんだ」

宝「それは大変。被害額はどれだけだったんですか?」

親「お前は、物事の本質を何も理解していない」

宝「えっ?」

親「被害額とは何だ。何かける何だ」

宝「今回の場合お米の量と被害額単価ですよね」

親「油が流出したのはいつだ」

宝「先ほどのお話では、田植えしたばかりだとか」

親「そのときに、米の量と被害単価がわかるか!」

宝「苗の量しか・・・」

親「そうだ、米というのは何倍も植えたことに対する収穫があるんだ。だから田植えが終わった時点ではわからん」

 意味は、わかりますが、私は、どう答えていいかわかりませんでした。するといつもの発言が。

親「まったく、バカにつける薬があったら、100万円出しても買ってお前につけてやるよ」

宝「降参です」

親「米の値段(たしかここで専門用語が使われたのですが、すみません、覚えていません)と量がわかるのはいつだ」

宝「収穫期の秋です」

親「そうだ。だから秋まで待ってくれと、農家の人に言ったんだ」

 そうか、親父さんは、私に、取引とは何かを教えてくれているんだ。と気づきました。でも普通こんなこと、油が流出した事件のときに考えませんよね。もし下手な交渉をしたら、土壌を新しく入れ換えろ、この土は何年も経っているんだから、それと同じようなものを持ってこいよ、とか言われる恐れもあります。

宝「それで、どうしたんですか」

親「そうなんだ、払いたくねえなあ、スタンドの利益がふっとぶなあ、とか考えたんだ。でもな意外な結末が待っていたんだ」

宝「なんですか」

親「大きな台風がその秋に来てなあ。米がみんなだめになったんだ〜」

宝「それではらわなかったのですか?」

親「おお(ドヤ顔で😆)」

 まあ、大切なことなのですが、結論は「なんじゃい」です。

 でも、これが今でも私の頭にあるということは、「取引の基本」を難しい方法ではなく、こういう面白い話で教えてくれたからです。親父さんとのこの辺の終盤の攻防がとても勉強になりました。

【拙首です】
人に物を 伝へやうと するときに 頭にの遺る 面白さもて

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このページは、宝徳 健が2024年11月18日 08:23に書いたブログ記事です。

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