※お断り:事情があって、ブログを書く日時が確定できません。ご容赦ください。このルーティンだけは絶対にやりたいので。このブログは私の生き甲斐なんです。お許しください。
親父さんは、誰か第三者がいるときには、私のことを「宝徳さん」と呼んでくださいました。
私は、誰かがいる時には「社長」と呼んでいました。
二人きりの時には「宝徳」「親父さん」と呼び合っていました。私が出光興産株式会社を辞めてから私の家に電話をくださるときは、たいてい、かみさんが出ます。その時も「宝徳さんは、いらっしゃいますか?」と呼んでくださいました。かみさんは、面白がって「また、宇佐美です〜、さんから電話あったよ。あなたの彼女から」と言って私をからかいました。
ある二人きりの時のことです。「宝徳なあ、昔、社用車で、集金に言った所長がいてなあ。そいつが、社用車の助手席に彼女を乗せていたんだ」
寳「へ〜、で、親父さんどうしたの?」と言ったら「ただ黙っています」。
こういう時に親父さんはいろいろ考えがています。そして私に考えさせるのです。親「どうしたと思う?」。
寳「怒ったんですか?」 親「お前は、相変わらず単純だなあ」
寳「いいから教えてくださいよ」
親「助手席を取り払ったんだ笑笑。そうするとな、その所長がもう二度としませんから助手席を戻してください」と言ったんだ。
親父に難しい話をしたら絶対に「そんな言葉は知らん!」と怒られるのですが、この人がやっていることは「アウフヘーベン」なんです。
アウフヘーベン:止揚と言って、部下と同じレベルでマネジメントするのではなく、相手が予想しない高いレベルの回答を出す。これが
アウフヘーベン
です。
また、親父と話をすると、いつも、最新の経営手法を言ってきます。経営学とかではなく、彼の頭はおそらく筋肉です。
すごいなあ!といつも思っていました。でも、そういう言葉を言うと「お前は大学で学んだ言葉を俺に言うな!」と一蹴されます笑笑。
当時、キャッシュフロー経営など、世間の人がほとんど知らない頃に親父はやっていました。
あるとき、親父がバブルの時に買った3億円ぐらいの土地がありました。それを親父さんが、15千万円で売るというのです。
寳「親父さん、そうしたら15千万円の損失が出ます」というと。
親「お前は馬鹿か。その損失がでたら、節税になるだろう。だから実質15千万円ぐらいの損失だ。寝かしておくよりも、その15千万円を投資に当てて回収した方がいいだろうが」と言われました。キャッシュフロー経営です。この言葉は親父さんには伝えませんでしたが、最新の経営手法をすでに筋肉の脳みそでつかんでいたのです。
銀行員でさえ、いまだにこの感覚がない人が多いものをです。
は・は・は
【拙首です】
筋肉の 頭をそなへる 親父にて いまだ見てない 考えをしる
コメントする