石油業界の歪み⑦(皇紀二千六百八十五年 令和七年(2025年)一月二十二日)2

| コメント(0) | トラックバック(0)
  若い人は知っているのかな? オイルショックは第一次:昭和四十八年(1973年10月)第四次中東戦争)と第二次:昭和五十三年(1979年10月)OPEC(石油輸出国機構大幅値上げ)が起きました。メディアが「大変だ」と喚き、そうでもないのに、みんなスーパーに行ってトイレットペーパーを買い漁りました。私は十歳でしたが、「みんなバカだなあ」と思っていました。

 この時、石油資源を持たない我が国は、アラムコ格差というメジャーとの価格差を受けざると得なかったのです。民族系石油会社は、大変な思いをします(当時は、出光興産株式会社が民族系最大手でした。他社は、通産省が共同石油をつくるまで、すべて外資の資本を受け入れていました)。

 

 価格は跳ね上がります。その時に、通商産業省が何をやったか。


 ガソリン・灯油・軽油等を白油と言います。A重油・B重油・C重油を黒油と言います(軽油は黒油に入れることもあります)。産業の停滞を極度に考慮した通商産業省は、黒油の価格を大幅に引き下げ、その下げた分を白油に乗せました。これが有名な油種間格差です。ガソリンと軽油にはこれにガソリン税・軽油税が乗りますので、とんでもない油種間格差になります。これが後々、この格差をなくす時にとんでもない苦しみを石油業界に与えるのですが、通商産業省は知らないふりです。それどころか、石油業界がガソリンの利益がありすぎると司法に訴えられたとき、通商産業省は、「自分たち知らなかったことだ」としらを切りました。よく言いますよ。

 

 石油製品は連産品なので、ガソリンだけとか、重油だけとか取り出すことが不可能です。でも、元売り各社は白油、特にガソリンでしか儲けられないので、製油所装置の白油化を進めます。また、黒油の赤字を解消したいためにガソリンの増販を図ります(灯油は冬だけなので)。それに昨日申し上げた生産枠があります。販売量よりも生産量の方が多い元売りは大儲けです。逆もまた言えます。

 

 さらに通商産業省は、バカなことに激化するガソリンスタンド業界を守るためにスタンド枠を設定します。一つガソリンスタンドを潰さないと一つ建設をしてはだめだ、というものです。次には、同じ系列(出光興産なら出光興産のガソリンスタンド)で一つ潰さないと、新しいガソリンスタンドの建設は、できないという規制も作りました。官僚というのは、自分たちの仕事を楽にするために規制を作るのが好きですね。油種間格差で利益を縛られスタンド枠で一番儲かる油種を制限された元売りは、どんどんおかしな運営に迫られました。

 

 お金ふんだんに使ったイベント花盛りです。週末になるとどこかのガソリンスタンド、パンや卵などをお客様わたすので、主婦は大喜びです。

 

 そしてさらに、最も愚かな施策「マーク変え」をし始めました。マーケティングのマの字もない石油業界は、若い人が育たなくなりました。我國はまるで社会主義国家のようになりました。その時にまともな商売でネットワークを拡充させていったのが宇佐美の親父なんです。ぐだぐだの石油業界へ反旗を翻したのです。石油業界唯一の真実の登場です。つづく

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/9666

コメントする

カテゴリ

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2025年1月22日 08:35に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「西宮市政百年⑨:佐々成政(皇紀二千六百八十五年 (令和七年一月二十二日)」です。

次のブログ記事は「どの本よりわかりやすいホワイトハッカー(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)一月二十二日)3」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。