アップストリームは儲かるので原油からガソリンや灯油等を作る製油所が雨後の筍のようにできました。本当に小さな製油所まで。過剰供給になるので、通商産業省(現 経済産業省)が規制に入りました。
過剰供給でいいのです。経済成長を図りながら、少し多めの過剰供給の社会を作ると、国民は、稼いだお金で、通常より安い製品を買うことができます。すると需要も供給もより盛んになりさらに経済が発展します。それこそ格差も少なくなります。
かつて日本の家電メーカー市場がそうでした。家電会社の数が多いので、競争が激しく、どうしても販売価格が安くなります。そこに1億総駐中流社会になった、民間消費経済が、三種の神器と言われる家電や車を求めて購買にはしります。「豊かで幸せ」です。家電メーカーの社員もやりがいを感じました。
需要が豊富に存在する我國 日本では、企業はあまり外に打って出るということはしなくてもすみました。
そこで得た利益を海外に投資をしました。なので、我が国は、世界最大の債権国家となっています。官僚がいらんことをせんでも民に任せておいたら、民は自然と自らで再編していきます。今は、官僚の豊かと幸せです。ふざけるな。
さて、生産枠石油業界に何が起こったか。
例えば、我が出光興産は、シェアが15%ぐらいあるのに、生産枠は13%しか持ちません。逆にエクソンなどは、6%ぐらいしか販売シェアは持たないのに、生産枠は8%ぐらい持ちます。その2%を業者間転売玉(業転:ブラックマーケット)に流して出光は日本石油は、その高い市中玉を買うのです。小さな精油所会社もブラックマーケトに流します。
自らの製油所で精製した方が遥か安いのに。さらに余ったものは、余っている業転玉を卸業者などが買って、ガソリンスタンドの直接売りいきます。スタンドは買います。これを他社外と呼んでいました。元売りがガソリンスタンドに売る「卸価格(建値:たてね)よりはるかに安い。買わないまでもこの価格を示されて元売り担当者は、価格交渉をせざるを得なくなります。極端な話をすると、「いい仕事」ができなくなる機会費用が発生します。そうです、業界全体でコストアップします。まさに、数日前にこのブログでお伝えした「合成の誤謬」です。」
佐三店主が「石油業法は天下の悪法」と呼んだ理由がわかります。
さて、その生産枠に、オイルショックが拍車をかけ、そして、マーク替えという本当に情けない仕事が出てきます。では、次回はこの仁義なき戦いを。つづく
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