宇佐美の親父さん14:菜葉のこやし(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)一十三日)4

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  久しぶりの親父さんの話です。あるとき「宝徳、頼んだあれはどうなった?」とおっしゃるので、「あっ、まだできていません。すみません」というと、「まったくお前に頼んだら生まれた赤子も歩きだすわ」と。

 すみませんという気持ちと同時に、おかしさが込み上げてきました。繰り返し申し上げますが、親父さんは、第三者がいると私のことを「宝徳さん」呼んでくださいます。そして、敬語を使ってくださいます。

 私がいない時も、支店長とか課長に会いに支店にきてくれた時には「宝徳さんは、今日、これこれに行っているんですよね」と。支店長が「親父さん、あんなに宇佐美が好きな担当者は初めてでしょう」というと、照れている親父さんは、ニタニタ笑うだけです。

 でも二人きりの時は容赦がありません笑笑。

 「お前のような奴のことをあな、乞食のお粥っていうんだ」(差別用語はお許しください。史実のまま書いています)

 「なんですかそれ」

 「乞食のお粥には米が入っていないだろう。だから湯だけ。つまり、ゆうだけ(言うだけ)なんだ」と

 「それも面白いですね」

 「楽しむなばか」

 というのですが、親父さん調子の乗って

 「菜葉のこやし、とも言うんだ」

 「なんですそれ」

 「かけごえ(かけ肥)だけだ」

 私は、怒られているんですけど、面白くて仕方がありません。「親父さん、わかりました。あと1週間だけ時間をください」と言いますが、こんな表現をよく思いつきますよね。名古屋支店に帰って支店長課長に言うと大笑い。「だけそれちゃんやれよ」と。

 前のあるスタンドの所長が、彼女を会社の車に乗せて集金行った話をしましたよね。

 普通の上司ならどなりつけるところなんですが、黙って会社の車の助手席とったら所長が「もうしませんから、助手席をつけてください」と言ったな話。
 
 親父さんは、はずかしがりやなので、社員には面と向かって怒れないです。経理のT女史は、いつも、親父さんん「怒ってよ!」というですが、できません。

 でも、表現と行動でまったく予想をしないことをやられます。相手が「参った」ということ。これを

アウフヘーベン(日本語で止揚)
と言います。

 部下と同じ目線で怒ると部下は反発します。

それを「参った」と言う表現をされると部下は返しようがありません。そんな言葉を勉強もしていないのに、自分で体得している親父さんには常に敬服していました。後に出光興産株式会社の副社長になられた当時の我が課の課長もそうでした。

 あるとき、新入社員がとんでもな価格でお客様と決めてきました。課内中、「これどう納めるか」で話し合っていたときに、課長が帰っていたので報告しました。「わざとじゃ何だろう? お前よくそれを決断できたなあ」と言いました。

 この社員は、その夜飲みに連れて行ったときに「宝徳さん、我が社ってすごいですね。私は、あの課長ためなら死ねます」と涙を流して言いました。私には、当時、宇佐美を担当しながら、その能力がなかったことを恥じます。親父さん、みんなの心の中で親父さんは、生きているよ。

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このページは、宝徳 健が2025年1月13日 10:31に書いたブログ記事です。

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