名古屋支店勤務の時に、どうしても行く必要に迫られて、ゴルフに行きました。平日です。ゴルフの話はどうでもいいので割愛します。
次の日に、宇佐美本社に行きました。
「おはようございます」と親父さんに挨拶をしながら、社長室に入って行きました。
親父さんは、機嫌が悪く、目も合わせてくれません。
「どうしたんですか?」
「俺はなあ、平日にゴルフをしに行く奴は大嫌いだ」
「親父さん、私がゴルフをしないのはご存知ですよね。昨日は、どうしても・・・」
と行った瞬間に
「言い訳をするな!!!」という言葉が返ってきました。
それからもずっと口を聞いてくれません。かなり長い時間が経ったあと、
「私、もう帰りますね」と言いました。
「なんで帰る」
「だって、親父さんの機嫌が悪いし、口も聞いてくれないから」
「お前は、俺が機嫌が悪くて、口も聞かなかったら帰るのか」
「(何この言い方。めんどくせぇ)」と思ったけどそんなことは怖くて言えません。
「いいから、ここにいろ」
しばらくすると、親父さんは、どこかに行ってしまいました。トイレかなあと思っていると、返ってきた時には、大量のゴルフボールを抱えていました。
「(なんでゴルフもやらない親父さんがこんな大量のボールを持っているんだ。何をされるんだ。これを大量に投げつけられるのかああ)」
「ほら、これやる」と、その大量のボールをくれるではありませんか(爆笑)。
「だから、私が、ゴルフやらないのは、知っているでしょう。いただいても無用の長物です」
「せっかく持ってきたのにか」
こういう時の親父さんは可愛くて仕方がないのですが。「(さっきの機嫌の悪さはなんだったんだ。言っていることとやることが違うやん)」と思いました。
結局、支店に持って返って、支店長とか課長さんとかにあげました。「親父ボール」と呼ばれて人気がありました。
家に帰って、カミさんに、この話をしたら、うけたうけた。「よかったじゃん、恋人からいっぱいごフルボールをもらって。でも、あなたが親父さんを大好きになる気持ちはわかるわ。今度、宇佐美さんから電話がかかてきたら、笑いを堪えるのに必死だわ」。と腹を抱えて笑っていました。
でもどうしてあんなに親父さんは怒ったんだろう? いつか天国に行ったら教えてね。って、親父さんはもう忘れているかも。ねっ、親父さんのことを私に語らせたらキリがないでしょ。
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