宇佐美の親父さん17:野菜の話(皇紀二千六百八十五年 令和七年(2025年)一月十七日)5

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 ちょっといい話です。

 あるとき、支店に電話がありました。「宝徳、大変だ。すぐこい」「はい(何が起きたんだろうと思いながら)」

 宇佐美本社の裏が親父さんの家です。

 「じゃがいもをなあ、植えるのを忘れていたんだ。大変だ。ジャガイモは、植えてもいい期間が短いんだ」

「はっ??? 親父さん、俺忙しいんですが」

「俺よりお前の方が忙しいというのか」

「なんで俺がジャガイモを植えにこなければならないですか?そんなこと社員の方に言えばいいじゃないですか」

「社員が誰もいうことを聞かないからお前に言っているんだろう」(またこれです笑)

 もうここまできたら親父さんは可愛くて仕方がありません。ジャガイモを植えました。

 親父さんが創る野菜は、どれすごい大きさです。まがったものもずいぶんありますが、食べる分には別に構いません。それと市販の野菜の5倍ぐらいある大きさなんです。きっと親父さんの愛情をうんと受けているんでしょうね。

 刈り取りの時も呼ばれます。「宝徳、すぐこい」と。全く私がその時、支店にいなければどうするつもりなんでしょう。

 そして、刈り取りに行ったらおっしゃいます。繰り返し。もう聞きましとは私はい言いません。

「宝徳なあ、野菜はなあ、大きいのも小さいのも、真っ直ぐなのも、曲がったものも、いろいろあるんだ。みんな美味しいんだ。みんな可愛いんだ。自分から落ちていくやつは悲しいんだ。人づくりも一緒だぞ。」と。最高の笑顔と優しさで。

 だめ、もう私の涙腺は崩壊です。来るたびに泣かすなよ。たまりません。

 支店にも持って帰れと、大量にくれます。支店について箱を上げたら「親父さんの野菜か」と大人気です。

 なぜ私は、親父さんにお会いしたのに、なぜ今、こんなに情けない姿なのだろうか。

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このページは、宝徳 健が2025年1月17日 09:23に書いたブログ記事です。

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