まだだ歪みの歴史もたくさんあるのですが、それは歪みの修復の歴史とともに振り返りましょう。


まずは、元売再編の歴史です。
敗戦後、元売りは大きく分けて「民族系」と「外資系」に分かれました。当初民族系は出光興産株式会社だけした。そのうち通商産業省が官僚主導の民族系を作る(おそらく天下り利権のため)と、共同石油という民族系を作りました。他は全部外資系です。
石油は、油田の開発(原油)→精製(石油製品製造)→油槽所(ガソリンスタンドの近くまで運ぶ:製油所が兼務することもあり)→ガソリンスタンドへの供給→お客様
というのが大きな流れです。このサプライチェーンにもまた何段階かに分かれます。理由は「儲かる」「流行がない」「腐らない」「商いが複雑ではない」からです。
「儲かる」は先ほどのサプライチェーンで言うと左に行けば行くほど儲かります(上流:アップストリーム。その反対が下流(ダウンストリーム)。
上流はセンシスターズに始まる国際石油資本(メジャー)が絶対に手放しません。それにロシア・東南アジア・南米などがあります。ロシアはGDPの約半分が石油とガスです。
アラブの産油国は、当初、セブンシスターズの支配下にありました。欧米は、アラブを支配するマネーゲームに血眼になります。イランもイラクも自立しようとしましたが、一時はそれで欧米に叩き潰されましたん。日本も石油が欲しかっただけなのに、米国が共産主義と組んで潰されました。結局、勝利者は共産主義でした。このブログでも解説しますが、ご興味ある方は以下の本をお読みください。
まあとにかく、一番儲かるの一番左を国際石油資本(メジャー)が手放すわけがありません。敗戦で叩き潰された日本には特に。日本は消費地精製主義」という原油を輸入してそれを精製することからはじめさせられました。どれでも末端のガソリンスタンドよりはかなり儲かるのです。ガソリンスタンドの歴史は、常にこれらに翻弄されました。欧米はかつて石油のことになると世界を無茶苦茶にしました。それもまた書きます。
それも、その流通網にまで「外資」として、入られて。それに敢然とと立ち向かったのが「消費者本位」「大地域小売業」「人間尊重」の理想を掲げる、出光佐三店主率いる「出光興産株式会社」だったのです。かつて、出光興産の石油情報は商社より速いと言われていました。
両書弊とも弊社蔵書より」
このブログも挑戦です。我が国の石油元売の再編とそれに伴う歪みの歴史を振り返りながら、世界との関わりを見てまいります。細工は流流仕上げを御覧じろ←この言葉を息子は知らなかった!やった〜(私もバカですね。こんなことで喜んでいます笑)。
まず、昭和五十八年(1960年)年から始まった石油業元売の再編を見てまいります。次のこのブログで石油精製の動きを見てまいます。
最初は、十三元売がありました。(太陽石油を入れて十四社)( )内は外資
①日本石油(カルテックス)
②出光興産
③共同石油
④三菱石油(ゲッティ)
⑤昭和石油(ロイヤル・ダッチ・シェル)
⑥シェル石油(ロイヤル・ダッチ・シェル)
⑦エッソ石油(スタンダードオイル系)
⑧モービル石油(スタンダードオイル系)
⑨ゼネラル石油(スタンダードオイル系)
⑩キグナス石油(スタンダードオイル系)
⑪大協石油(どこだか忘れた)
⑫丸善石油(どこだか忘れた)
⑬九州石油(どこだか忘れた)
⑭太陽石油(どこだか忘れた)
言えた。よかった!
合併は製油所も絡むので少しズレがあります。
1)昭和五十九年(1984年)まず、大協石油と丸善石油が合併してコスモ石油になります(これで十二社:太陽除く)
2)昭和六十年(1985年)昭和石油とシェル石油が合併して昭和シェル石油。十一社。
3)日本石油と三菱石油が合併して新日本石油(十社)
4)新日本石油と共同石油と九州石油が合併してジャパンエナジー(八社)
5)東燃系(エクソン・モービル・ゼネラル)が合併してエクソンモービル(六社)
6)ジャパンエナジーとエクソンモービルが合併してエネオス(五社)
7)出光興産と昭和シェル石油が合併して出光興産(四社)
8)残ったのやはコスモとキグナスと三井と太陽です。
※実質上エネオスと出光とコスモです。三井と太陽は以前より市場に影響を与えない。
少し違っているかも。年代も含めて違っていたらまた書きます。
以前も言いましたが儲からない下流を統合しても石油業界のボトルネックは上流なので、製油所の統合が鍵になります(つづく)
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