3省2ガイドラインとは、経済産業量・厚生労働省・総務省の「3」が作成している医療機関向け「2ガ」イドラインなので「3省2ガイドライン」と呼んでいます。
電子的に医療情報を取り扱う事業者のサイバーセキュリティ対策の「運用」を示したガイドラインです。
一部の医師を除き、非常に申し訳ない言い方ですが、医師は「医療しか知らない」のです。またある程度収入が見込まれることから、現在の専門化された自分の仕事に安住してしまう傾向にあります。それにプライドがかなり高い人が多いのです。結果的に多くの医師は自分の仕事の範囲外のことには興味を持ちません。医師同士においても、医師とコメディカル(医師や歯科医師の支持の下に業務を行う医療従業者)との連携においても、他の院内サービス提供職員との連携においても)。
それで回っているうちはいいのですが、大変な機会費用が発生してしまい合成の誤謬を生みます。
※コメディカル(看護師、保健師。助産師、薬剤師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学士、放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、管理栄養士、救急救命士など)、国家試験合格者。
※他の院内サービス提供職員:看護助手や売店の方、会計係などとても重要な顧客サービスをしているが国家試験を通ってない人。
※機会費用:その仕事をすれば100の利益を得ることができるのに、50の仕事を選んでしまうこと。この失った利益は決算書上には計上されないが、結果的に50のコストがかかっている。中小零細企業は機会費用がたくさんある。
※合成の誤謬(ごうせいのごびゅう):それぞれが自分が有利になるように動く(部分最適)ため全体的な効率を妨げ却ってコスト高に(全体最適の阻害)なること。利権集団なんかがそう。
つまり、どんなに腕の良い医師がそ揃っていても「運用がお粗末」です。クリニックは少人数で運営するのでまだいいのですが、病院経営はこれがあると大きな赤字になってしまいします。
3省2ガイドラインは、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」と、経済産業省・総務省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」の2つから構成されます。
まあ、医療にけるサイバーセキュリティであり、医療従事者がもっとも「苦手」とする「運用(自分勝手ではない全体最適の仕事の仕方)」を規定しているものです。
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/teikyoujigyousyagl.html
まあそうでしょうね。国家試験を通ったプライドがぶつか合成の誤謬(全体最適の喪失)を行っている医療現場にはこのぐらいの仕事習慣の矯正が必要でしょう。絶対条件は優れたリーダーが一人いることです。十分な条件は今の看護師さんならそれについていけるかもしれません。だって、その病院の医療の全体像を把握しながら仕事をしているのは看護師さんです(ただし優秀な病院では)。
仕事習慣や生活習慣を変える時は、最初にある程度強制が必要です。それもマネジメントではなく優れたリーダーの誰もが共感する「コンセプチュアルスキル」によって。これを「おしつけ」と言います。「しつけ」を丁寧語にしてみてください。
次回かこの3省2ガイドラインの詳細に入っていきます。
奪ひあひ 足りなくしてきた 欧米の 権利の姿 失ふ全体
日本も欧米みたいになってきましたね。我国は古来から「譲り合って余らせてきた国」なのに。
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