石油業界の歪み⑪:ひどい売り方(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)二月一日)3

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   有鉛ハイオクに対して鉛を使わないハイオクを無鉛ハイオクと言います。

  それを全元売が一斉に9月1日に売り出しました。新入社員の私は、「日本は資本主義だよな。どうやったら競争に勝つためにと発想するのが普通なのに、どうして一斉に開発した商品を売るんだろう」という疑問を抱きました。
  価格もそうなんです。石油ショック移行の元売りの価格政策は、みんなで一斉に「来月から7円アップ(またはダウン)」と決めるのです。それも通商産業省主導で。

これってカルテルですよね

 未だにやっている石油商業組合(以下、石商)もそうです。市況が悪くなってきたから来週からみんなで一斉に「◯円にしよう」とやるのです。独占禁止法違反ですよね。ガソリンスタンドの電飾価格看板をその前に非表示か点滅にしはじめたら店頭価格を隠すためか、その◯円に上がる前というサインです。もちろん、言うことを聞かない石油製品販売業者(特約店・販売店)はあります。その人たちの説得にあたるという非生産性の仕事をします。

 元売もこれに加担します。私が出光興産株式会社大阪支店販売一課長のとき、ある特約店の役員かつ石商の理事の方から電話がありました。「課長、来週月曜日から、市況是正でガソリン価格を◯円にしようと石商で決定したのでご協力ください」と。 私は一瞬言葉がつまりました。心の中では「それって、法律違反ですよね」と叫んでいました。結局すぐに崩れます。


 ある大阪支店の会議で「今年の灯油価格は◯円でいく」と。私が「卸価格ですか?」と聞くと、「いや、販売店の店頭価格だ」と言いました。これって独占禁止法の再販売価格維持行為ですよね。私が言いました「私たちがそんなことをするから、販売店は私たちの卸価格に口出してくるのでしょう」 その人「出光が潰れてもいいのか」。私は反論しませんでしたが、「その程度で潰れるんなら潰れろ! 何が真に働く姿を顕現し国家社会に示唆を与えるだ」と心で呟きました。

 立場上、このカルテル行為は、克明に私に入ってきます。公衆電話に前に何度立ったか。公正取引委員会に電話をかけるために。出来ませんでした。情けないですね。でも、本当に自分のやれることはまだあるんではないか?とも思ったのも事実です。

 今は、製販ギャップが解消した今では、これらのことがかなり改善してきましたが。製油所統合と元売合併が進み、卸価格と業転価格の差がなくなったことが大きいのですが、一番は、市場(ブラックマーケット)に石油製品を流しまくっているエクソンモービルと市場から買いまくっているエネオスの売りと買いが合併したからです。こんな歪みがあったのです。

 そしてもっと酷い売り方が・・・・

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このページは、宝徳 健が2025年2月 1日 03:49に書いたブログ記事です。

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