石油業界の歪み(皇紀弐千六百八十五年 令和七年(2025年)二月二十三日日曜日)3

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  昨日、タイトルに曜日を入れると約束していたのにもう忘れていました😭。嘘つき。

 さて、前回は、石油業界は上流(アップストリーム)の方が下流(ダウンストリーム)より圧倒的に儲かると申し上げました。その中で、自らダウンストリームで儲かる方程式を作った宇佐美の親父はさん敬服します。

 でも、宇佐美親父さんやちーちゃんは悩んだと思います。私が担当していた当時は、石油業界の流通が整備されていなかったために、業者間転売玉(業転:ブラックマーケット)と正常な元売卸価格より10,000円/kl前後の差があったのです。

 ある時、ちーちゃんが親父さんに逆らって他社買い(ブラックマーケットの商品を買う)をしました(ちーちゃんごめんね)。私個人としては「仕方がないかなあ」と思いましたが、ちーちゃんには「ちーちゃん、ごめん、俺個人の意見の前に親父さんとT支店長に報告のしようがない」と言いました。ちーちゃんの涙も初めてみました。それほど石油業界の流通はおかしかったのです。ちーちゃんの責任ではなかったのです。

 前にも言いましたが、元売再編より先に製油所の再編が先でしした。その過程で潰れる元売は潰れればいい。
 通商産業省の愚策から、雨後の筍のようにできてきていた製油所を統廃合することができませんでした(行政指導するならしろよ通産省)。
 
 出光興産株式会社を辞めてコンサルタントになった私は、ある県のクライアントができ、一緒に車に乗っていました(社長が運転)。するとある煙突が見えてきます。「社長、なんでこんなところに石油プラントがあるのですか?」と言いました。社長は「これがわかるとはさすがですね」と言いながら説明してくれました。説明を待つまでもなく、こんな小さな石油プラントがこんな山奥にあるなんて・・・」と思いました。それほど上流は儲かったのです。

 30社以上製油所会社があったと思います。石油業法を作った張本人である通産省もそのことはホームページ等には残していません。それらが元売の責任のように歴史に残っています。官僚は、絶対に自分たちの誤りをオープンにしません。

 閑話休題。結果的には元売り再編によって儲からなくなった小規模製油所はなくなりましたが、その間に被害を被った石油製品販売業のことを業界全体で一切言及していません。

 最近は流通は安定しています。何年かかったの? みんな苦しまなくてよかったのに。

 自由化とは何か。それこそイノベーションができない会社がマーケットから退場することなのです。官僚が守ろうとする世界ではないのです。早ければ早いほど味わう苦しさはすくなくてすみますし、後からの苦しみもなくなります。

いずれかを 守ろうとして 出来上がる その歪みこそ 明日の禍根

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このページは、宝徳 健が2025年2月23日 09:18に書いたブログ記事です。

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