「とんび」という素晴らしいドラマがあります。内野聖陽(ヤス)さんと佐藤健(あきら)さん、そして、麻生祐未(たえ子)さんという私が大好きな俳優さんが出ています。
ヤスは、息子のアキラに、お母さんの美佐子(常盤貴子)がアキラを庇って亡くなったことを言いません。それどころか荷物が落ちてきた時に自分(ヤス)を庇って死んだんだ、と言います。アキラはなんとなく気付きます。
ヤスが毎日のようにいく、たえ子の店に、たえ子の娘がヤスに連れられてやってきます。たえ子が昔、離婚して別れた娘、泰子(徳永りえ)です。その優しさに触れた泰子は、それまで自分を捨てたと思った母に厳しい言葉をもらって、その優しさに触れ、母を愛します。お互いに名乗らないままに。
家族は特にそうですが、関係ができればできるほど、人間には「はっきりと言えない良い嘘(これを嘘というかどうかはわかりませんが)」がたくさん出てきます。なので、敢えて嘘を言う時があります。相手がそれが嘘だと気づいていても。相手には「何もかも言わなくても気持ちは伝わって」います。本当の優しさがあれば。
能の第一人者 世阿弥が
非すれば花
という言葉を遺しています。言わぬが花です。
はっきりと口にだして言わない方がかえって趣や価値があるということば。余計なことを言わなければ、差し障りもなくてよいこと
です。」
世阿弥の言葉を借りれば
非すれば花なり非せずは花なるべからず
です。
そんな強い男になります。いい言葉ですね。「非すれば花」! 日本人に生まれてよかった。
時々に 人の優しさに ふれるとき 真の優しさ 味はうときに
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